2021/12/06
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2019/12/16
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学び
皆さま、こんにちは!ナ.イ.ス.オ.ン株式会社の四.ケ.所.秀樹です。
今日も、あるパン屋さんの物語です。
昨日は、10〜30円のP(売価)アップが、利益に大いなる影響を与えたことをお伝えしました。
こちらが、昨日のブログです。
値上げの効果は絶大! 〜あるパン屋さんの物語 連載第3回〜
下のMQ会計表が、社長の悩みを見える化し、色んな対策を施したあとの結果です。
結果的に、1万個のQダウン(パンの値上がりによるパン離れ)にはなりましたが、300万円の赤字になるところから、400万円の黒字で終えられたわけですから、Pアップの効果が絶大だったことが分かります。
ただ、Pアップだけが、成果をもたらしたわけではありません。
その1つが、10万円の設備投資です。
このパン屋さんへは、毎月訪問させて頂き、経営のお話だけではなく、社長からは人生についての訓示を受けておりました。
その際に、いつも通して頂いていたのは事務所でしたので、製造工場を見る機会は、ほとんどありませんでした。
ただ、今回の件で、Q(販売数量)アップを検討することになりましたので、製造の現場にも入らせて頂くようになりました。
目的は、Q(販売数量)アップが実現したときに、現場は、今のままで対応ができるのかについて、確認をするためです。
こういうときに、最も役に立つのが、【TOC(制約条件の理論)】です。
※TOCに関しましては、私の師匠であります清水信博先生のホームページをご覧下さいませ。 株式会社ソフトパワー研究所 公式ホームページ
まずは、現場で働く社員さんに協力をして頂き、業務の全体像を描きました。
そして、Q(販売数量)が1日に100個くらい増えたとしたら、どこが問題になりそうか、幹部の皆さんと話し合いました。
すると、まだまだ製造能力には、余裕があることが分かりました。
このとき、ふと思ったのです。
工場の入り口が歩道側にあり、その入り口から工場に入ると、4畳くらいの空きスペースがあったので、小売りを始めたらどうか・・。
創業以来、業務用のパンを製造販売している会社でしたので、一切、小売りの経験はありませんでした。
また、小売りを始めたとして、卸先にご迷惑をおかけすることにならないのか・・。
しっかりと皆で話し合い、万が一に備えて、すぐに止めることが出来るように、10万円以内の設備投資で始めることにしました。
しかも、失敗しても良いように(というか、失敗が前提?!)、社長のポケットマネーで、支払って頂くことになりました。
この10万円の予算のうち、最も高かったのは、レジでした。
8万円もしましたが、あとは、パンを置くテーブルだけの購入にして、予算内に抑えました。
そして、パンの小売りを始めたことを知って頂くために、外に置く看板を手作りしました。
忘れもしません。
その看板に書かれていたのは、【パンを売り始めました!】の文字だけでした。
このパン工場の前の歩道は、割と人通りも多く、パンを作っている工場があることは、知ってる方が多いだろうと予測しました。
なので、売り始めたことだけを知って頂ければ・・
お客様は来て頂けるのではないか・・
何とも、安易な考えでしたが、これがビックリ。
パン工場で作られた出来たてのパンを、その場で買っていけることもあり、お客様が入って来て下さいました。
パンの種類は、テーブルに置ける範囲内なので、5〜6種類だったように思います。
もっと大きなスペースにして、もっと種類を増やせば、売上はもっと伸びそうな感じでしたが、いつでも止められるようにという想いがありますので、一切拡大はしませんでした。
それでも、1年間に600万円のPQ(売上)を、小売りのみで達成しました。
小売りでのMQ(粗利総額)は、400万円くらいでしたので、10万円の設備投資の結果からすると、大成功と言えるのではないでしょうか。
そして、2年目からは、毎月のMQ(粗利総額)の10%から15%は、小売りによるものが占めるパン工場になりました。
そこで、だんだんと業態が変わり始めましたので、これまで、【月次】でしか把握していなかった結果を、【日次】で見られるように、新しい会計の仕組みを構築することになりました。
これが、まさかの展開を生み出してしまうことになろうとは・・
このときはまだ、知る由もありませんでした。
第5回に続く。
今回もまた、ブログ筋トレ中の文章を最後まで読んで頂き、誠にありがとうございました。
今後とも、どうぞ宜しくお願いします。
ブログ筋トレVol.253