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2019/12/16

MQ戦略ゲーム

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学び

10万円の設備投資で600万円の売上増! 〜あるパン屋さんの物語 連載第4回〜

皆さま、こんにちは!ナ.イ.ス.オ.ン株式会社の四.ケ.所.秀樹です。


今日も、あるパン屋さんの物語です。


昨日は、10〜30円のP(売価)アップが、利益に大いなる影響を与えたことをお伝えしました。


こちらが、昨日のブログです。
値上げの効果は絶大! 〜あるパン屋さんの物語 連載第3回〜


下のMQ会計表が、社長の悩みを見える化し、色んな対策を施したあとの結果です。




結果的に、1万個のQダウン(パンの値上がりによるパン離れ)にはなりましたが、300万円の赤字になるところから、400万円の黒字で終えられたわけですから、Pアップの効果が絶大だったことが分かります。


ただ、Pアップだけが、成果をもたらしたわけではありません。


その1つが、10万円の設備投資です。



パンの製造工場にあった、空きスペースの活用

このパン屋さんへは、毎月訪問させて頂き、経営のお話だけではなく、社長からは人生についての訓示を受けておりました。


その際に、いつも通して頂いていたのは事務所でしたので、製造工場を見る機会は、ほとんどありませんでした。


ただ、今回の件で、Q(販売数量)アップを検討することになりましたので、製造の現場にも入らせて頂くようになりました。


目的は、Q(販売数量)アップが実現したときに、現場は、今のままで対応ができるのかについて、確認をするためです。


こういうときに、最も役に立つのが、【TOC(制約条件の理論)】です。
※TOCに関しましては、私の師匠であります清水信博先生のホームページをご覧下さいませ。 株式会社ソフトパワー研究所 公式ホームページ


まずは、現場で働く社員さんに協力をして頂き、業務の全体像を描きました。


そして、Q(販売数量)が1日に100個くらい増えたとしたら、どこが問題になりそうか、幹部の皆さんと話し合いました。


すると、まだまだ製造能力には、余裕があることが分かりました。


このとき、ふと思ったのです。


工場の入り口が歩道側にあり、その入り口から工場に入ると、4畳くらいの空きスペースがあったので、小売りを始めたらどうか・・。


創業以来、業務用のパンを製造販売している会社でしたので、一切、小売りの経験はありませんでした。


また、小売りを始めたとして、卸先にご迷惑をおかけすることにならないのか・・。


しっかりと皆で話し合い、万が一に備えて、すぐに止めることが出来るように、10万円以内の設備投資で始めることにしました。


しかも、失敗しても良いように(というか、失敗が前提?!)、社長のポケットマネーで、支払って頂くことになりました。


この10万円の予算のうち、最も高かったのは、レジでした。


8万円もしましたが、あとは、パンを置くテーブルだけの購入にして、予算内に抑えました。


そして、パンの小売りを始めたことを知って頂くために、外に置く看板を手作りしました。


忘れもしません。


その看板に書かれていたのは、【パンを売り始めました!】の文字だけでした。



1年間で600万円の売上を達成

このパン工場の前の歩道は、割と人通りも多く、パンを作っている工場があることは、知ってる方が多いだろうと予測しました。


なので、売り始めたことだけを知って頂ければ・・


お客様は来て頂けるのではないか・・


何とも、安易な考えでしたが、これがビックリ。


パン工場で作られた出来たてのパンを、その場で買っていけることもあり、お客様が入って来て下さいました。


パンの種類は、テーブルに置ける範囲内なので、5〜6種類だったように思います。


もっと大きなスペースにして、もっと種類を増やせば、売上はもっと伸びそうな感じでしたが、いつでも止められるようにという想いがありますので、一切拡大はしませんでした。


それでも、1年間に600万円のPQ(売上)を、小売りのみで達成しました。


小売りでのMQ(粗利総額)は、400万円くらいでしたので、10万円の設備投資の結果からすると、大成功と言えるのではないでしょうか。


そして、2年目からは、毎月のMQ(粗利総額)の10%から15%は、小売りによるものが占めるパン工場になりました。


そこで、だんだんと業態が変わり始めましたので、これまで、【月次】でしか把握していなかった結果を、【日次】で見られるように、新しい会計の仕組みを構築することになりました。


これが、まさかの展開を生み出してしまうことになろうとは・・


このときはまだ、知る由もありませんでした。


第5回に続く。


今回もまた、ブログ筋トレ中の文章を最後まで読んで頂き、誠にありがとうございました。


今後とも、どうぞ宜しくお願いします。


ブログ筋トレVol.253

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この記事を書いた人

四ケ所 秀樹

四ケ所 秀樹

四ケ所 秀樹(しかしょ・ひでき)
NICE ON株式会社(ナイスオン)代表取締役。
「粗利最大化」と「粗利最速化」を信条に、1年後の利益幅を最大97.5倍にした他、直近では、300万円の利益だった企業の教育を担い、5年間で1億円の利益にまで引き上げた実績を持つ。

MG開発者の(株)西研究所西順一郎氏、そして、(株)ソフトパワー研究所清水信博氏に師事し、企業の健康を司る【氣(社風)・血(お金)・水(業務フロー)】に関する社内研修を展開している。

【これから100年を志す企業を、絶対に守り切る土台づくり】を使命とし、赤字スパイラルから黒字スパイラルへの思考のシフト、全体最適思考の経営を指導している。

1974年佐賀生まれ。関西学院大学法学部卒。

保有資格
■西研公認MGインストラクター
■SP研公認最上級TOCインストラクター(日本第1号資格取得者)
■STR認定コミュニケーションマスター(世界第1号資格取得者)
■TOC‐ICO国際認定 思考プロセスジョナ登録
■交流個性解析士

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