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2020/01/31

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学び

【率】による経営判断は正しいと言えるのか? 〜売上高経常利益率を考える〜

皆さま、こんにちは!ナ.イ.ス.オ.ン株式会社の四.ケ.所.秀樹です。


昨日のブログでは、原価率を55%にも関わらず、黒字を出し続けた焼き肉屋さんを例に、原価率について考えてみました。


昨日のブログは、こちらです。
【率】による経営判断は正しいと言えるのか? 〜原価率を考える〜


その中で、粗利率、原価率に拘るのではなく、結果としての【率】のほうが、戦術が増えるのではないかとお伝えさせて頂きました。


例えば、【率】に拘り、赤字が出てしまったとしますよね。


だとすれば、【率】を守るのではなく、今は、その率で経営できる実力ではないと受け止める。


その上で、お客さまに喜んで頂きながら、結果として、【率】が良くなるように努力していく。


そして、【理想の率】に近づけていく。


私は、そのように【粗利率】【原価率】を捉えていますが、皆さまは如何でしょうか?


それでは、今日のブログです。



売上高経常利益率を考える

売上高経常利益率という、管理会計上の1つの指標があります。


【経常利益÷売上高×100】で求められる数字です。


例えば、売上高が1億円で、経常利益が1千万円の会社があったとします。


この会社の売上高経常利益率は、1千万円÷1億円×100=【10%】となります。


では、ここから少し考えてまいりましょう。


先ほどの会社の売上高が2億円と倍増し、経常利益もまた2倍の2千万円になりました。


翌年、売上高は3億円に達し、経常利益は3千万円になりました。


さらに、翌年、売上高は4億円に達し、経常利益は4千万円になりました。


初年度から比べると、売上も経常利益も4倍になっていますが、売上高経常利益率に関しましては、ずっと10%のままです。


売上高経常利益率は良くなっていないけど、会社は成長していると捉えるのでしょうか?


逆に、売上の伸びの割には、利益体質が悪化していると捉えるのでしょうか?


そもそも、売上高経常利益率って、どう使うのでしょうか?


この数字を大事にする経営とは、どんな経営なのでしょうか?



【率】による経営判断は正しいと言えるのか?

では、私の会社が、売上高経常利益率を経営に活かしているとします。


あくまで、一例ですが、ぜひ、読み進めて下さいませ。


私は、経営を続けるためにも、2千万円の経常利益が必要だと計算しました。


そして、売上高経常利益率は、昨年度の9%よりも1%良化させて、10%にすると意思決定しました。


ここで、売上高経常利益率の計算式を使い、必要な売上高を計算します。


経常利益の2千万円÷売上高経常利益率の10%で計算できますので、その売上高は、2億円となります。


私は、全社員さんに、【今年の売上目標は2億円です!】と、高らかに宣言をしました。





全社員さんも、全力で、2億円を目指して頑張って下さいました。


その結果・・


残念ながら、売上高は、1億8千万円で終わりました。


社長の私は、社員さんの労をねぎらいつつも、ガッカリしてしまいました。


2千万円足らなかった・・・


翌日、税理士さんが、我が社に来て下さいました。


社長、目標の売上高には2千万円足りませんでしたが、経常利益に関しては、目標の2千万円を上回り、2,500万円になりましたね!


売上高経常利益率も、目標の10%を上回り、14%になっています!


私は、税理士さんが何を言っているのか、よく理解できませんでした。


売上高が2千万円も下がったのに、経常利益は上がり、売上高経常利益率も上がっている。


どういうこと?


あれだけ、売上、売上と言ってきたのに、売上を指標とするのは間違っているということ?!


皆さま、如何でしょうか?


今、何を感じていらっしゃいますでしょうか?



売上高は役に立たない

私は、師匠である西研究所の西順一郎先生から、【売上高は役に立たない】と教わりました。


もちろん、売上が必要ないというお話ではありません。


会社で目標を掲げたり、指標として分析するときのお話です。


なので、損益分岐点売上高も役に立ちません。


いくらの売上になれば、いくらの利益がでるという構造が、そもそも間違っているのですから。


利益の構造というのは、粗利総額から固定費を引き算して求めます。


商品が1つしかない会社は別として、複数の商品を販売している会社は、その売れ方次第で、粗利総額が変わります。


粗利総額が変わると言うことは、利益が変わると言うことです。


それでも、売上目標を指標とする方が、良いのでしょうか?


もちろん、スケールメリットや認知度などの側面は出てくると思いますが、2千万円の利益を出すためには、2億円の売上が必要だという考え方は、如何なものでしょうか?


皆さまは、どう思われますか?


明日も、率の経営について、考えてみたいと思います。


今回もまた、ブログ筋トレ中の文章を最後まで読んで頂き、誠にありがとうございました。


今後とも、どうぞ宜しくお願いします。


ブログ筋トレVol.299

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この記事を書いた人

四ケ所 秀樹

四ケ所 秀樹

四ケ所 秀樹(しかしょ・ひでき)
NICE ON株式会社(ナイスオン)代表取締役。
「粗利最大化」と「粗利最速化」を信条に、1年後の利益幅を最大97.5倍にした他、直近では、300万円の利益だった企業の教育を担い、5年間で1億円の利益にまで引き上げた実績を持つ。

MG開発者の(株)西研究所西順一郎氏、そして、(株)ソフトパワー研究所清水信博氏に師事し、企業の健康を司る【氣(社風)・血(お金)・水(業務フロー)】に関する社内研修を展開している。

【これから100年を志す企業を、絶対に守り切る土台づくり】を使命とし、赤字スパイラルから黒字スパイラルへの思考のシフト、全体最適思考の経営を指導している。

1974年佐賀生まれ。関西学院大学法学部卒。

保有資格
■西研公認MGインストラクター
■SP研公認最上級TOCインストラクター(日本第1号資格取得者)
■STR認定コミュニケーションマスター(世界第1号資格取得者)
■TOC‐ICO国際認定 思考プロセスジョナ登録
■交流個性解析士

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