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2025/06/23

DX

学び

DXは”技術導入”ではない・・中小零細企業が今こそ変えるべき”思考”の話


皆さま、こんにちは。

ナイスオンホールディングスの四ケ所秀樹です。

「DXって結局、何から始めればいいの?」

2、3年前だったでしょうか。

ある製造業の社長さんから、こんな相談を受けました。

従業員20名、創業60年の老舗企業。

立派な技術を持っているのに、“DXをしなければ時代に遅れる”という焦りだけが先行している状況でした。

でも、お話を聞いていて気づいたことがあります。 

この社長さんが求めているのは、実は”DX”ではなかったのです。

9割の中小企業が勘違いしている”DXの正体”

第2四半期2週目の今週は、デジタルトランスフォーメーション(DX)がテーマです。

先週のブログでは、MBAでの学びを通じて“経営は総合格闘技”であり、経営者こそ“学び続ける必要がある”という話をお届けしました。

その延長線上にあるのが、今回の“DX”です。

現場で最も多く見てきたのは、“DX=ツールの導入”だと勘違いしてしまっている現実です・・

❌ クラウドサービスを導入しました

❌ 業務フローを電子化しました

❌ データ分析のシステムを入れました

もちろん、これらはDXの“手段”です。

でも、本質はそこではありません。

DXの本質=”変化”を前提とした思考への転換

私が独立して15年間、中小零細企業の現場で見続けてきて、確信していることがあります。

それは・・

DXの本質は、

“変化を前提とした経営体質を、組織としてどうつくっているか?”

という問いへの取り組みです。

ツールや仕組みは、あくまで“変化に対応するための補助輪”です。

本当に大切なのは・・

✅ 変化そのものを、恐れず、面白がること

✅ それを仕組み化していくこと

✅ チームで回せるようにすること

これが、真の意味でのDXです。

【実例】年商3億円の製造業で起きた”関係性DX”

冒頭でお話しした、製造業の事例を詳しくご紹介します。

Before:部門間の”見えない壁”

🔸 営業部:「数字を追う」のが仕事

🔸 製造部:「早く・正確に仕上げる」のが仕事

🔸 経理部:「締めて報告する」のが仕事

それぞれが一生懸命なのに、情報がつながっていないため・・

・無駄なやり直しが月15件発生

・納期遅延による顧客クレームが月8件

・残業時間が部門平均で月40時間超

After:業務フローを1つのツールで”つなぐ”

当社の業務改善コンサルティング手法を適用し、シンプルな情報共有ツールを導入した結果・・

📈 営業部の変化

製造の負荷を把握→納期交渉の成約率が20%向上

📈 製造部の変化

経理の締めを意識→日報の精度向上で原価計算が正確に

📈 経理部の変化

営業の受注予測を活用→先回りした資金繰り計画が可能に

結果:売上5%向上、残業時間30%削減

中小企業こそDXに”本当の意味”がある理由

「DXは大企業の話」・・

これは完全な誤解です。

実は、逆なんです。

資源が限られているからこそ、“仕組みと情報”が生命線になります。

中小企業のDXが威力を発揮する3つの理由

1. 意思決定の速さ

大企業のような複雑な承認プロセスがない分、変化への対応が圧倒的に早い

2. 現場との距離の近さ

経営者が現場を直接見られるため、本当に必要な改善点が見える

3. 効果の実感しやすさ

小さな改善でも全社への影響が大きく、成果を実感しやすい

中小企業版DXの5つのステップ

Step1:現状の”困りごと”を洗い出す

ツールありきではなく、まず現場の声を集める

Step2:情報の流れを”見える化”する

どこで情報が滞っているかを図で表現

Step3:”つながり”を増やす小さな実験

いきなり大きなシステムではなく、LINEやスプレッドシートから

Step4:効果を”数値”で確認する

MQ会計の手法で変化を可視化

Step5:成功パターンを”横展開”する

うまくいった部署の方法を他部署にも適用

今すぐできる”気づく体質”チェックリスト

□ 週次で数字を確認する習慣がある

□ 部門を越えた情報共有が月1回以上ある

□ お客様の声を全社で共有している

□ 失敗事例を改善のネタとして活用している

□ 新しいことへの挑戦を評価する文化がある

3つ以上チェックが入れば、あなたの会社はすでにDX体質です!

次週予告:未来への橋渡し”サステナビリティとSDGs”

来週のテーマは“サステナビリティとSDGs”です。

「今の延長線上に、未来をどう残すか?」

DXは、その未来への橋渡しです。

技術で効率化するだけでなく、持続可能な経営体質をつくることこそが、真のデジタルトランスフォーメーションなのです。

読者の皆さまへ・・ツールよりも、問いを持ちましょう

「何を導入するか?」ではなく、「私たちは、何を変えたいのか?」

この問いを持ち続けることが、DX成功の秘訣です。

どんなに優れたツールも、明確な目的がなければ“ただの箱”でしかありませんから・・


本日も、最後までお読みいただき誠にありがとうございました!

それでは、素敵な一週間をお過ごしください。

今週も、皆さまにとって豊かな学びの時間がありますように。

ナイスオンホールディングス株式会社

四ケ所秀樹


ご感想・ご質問・ご関心、何でもお気軽にお寄せくださいませ。

“変化に強い組織”を、一緒につくってまいりましょう!

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この記事を書いた人

四ケ所 秀樹(しかしょ・ひでき)

四ケ所 秀樹(しかしょ・ひでき)

ナイスオンホールディングス株式会社 代表取締役。
「粗利最大化」と「粗利最速化」を信条に、1年後の利益幅を最大97.5倍にした他、直近では、300万円の利益だった企業の教育を担い、5年間で1億円の利益にまで引き上げた実績を持つ。

MG開発者の(株)西研究所西順一郎氏、そして、(株)ソフトパワー研究所清水信博氏に師事し、企業の健康を司る【氣(社風)・血(お金)・水(業務フロー)】に関する社内研修を展開している。

【これから100年を志す企業を、絶対に守り切る土台づくり】を使命とし、赤字スパイラルから黒字スパイラルへの思考のシフト、全体最適思考の経営を指導している。

1974年佐賀生まれ。関西学院大学法学部卒。

保有資格
■西研公認MGインストラクター
■SP研公認最上級TOCインストラクター(日本第1号資格取得者)
■STR認定コミュニケーションマスター(世界第1号資格取得者)
■TOC‐ICO国際認定 思考プロセスジョナ登録
■交流個性解析士

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