2021/12/06
MQ戦略ゲーム
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2019/12/24
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学び
皆さま、こんにちは!ナ.イ.ス.オ.ン株式会社の四.ケ.所.秀樹です。
昨日は、130万円の利益を、少なくとも10倍にするために、まずは、利益感度分析による現状把握を行ったことを書きました。
昨日のブログは、こちらです。
徹底的に現状把握!今、どの商品に目を向けるべきか? Vol.1 〜ある石鹸屋さんの物語 連載第2回〜
その中で、1番鈍感なV(変動単価)の感度でさえ、2.2%の変化しか耐えられない現状に、社長は、恐怖を感じておられました。
なので、社長の気持ちに寄り添いながら、前向きな気持ちになれるようなデータがないか、一所懸命に探しました。
それが、今日のブログの内容です。
昨日のブログでもお伝えさせて頂きましたが、販売データを、MT(エムティー、以前はマイツール)というデータベースソフトにコピーできたことが、本当に大きかったです。
パン屋さんの物語では、このデータを作るところから始めないといけませんでしたので、その分、データの分析に多くの時間を割くことができました。
しかも、データの中にV(変動単価)までしっかりと入っていましたので、MQ(粗利総額)まで出せたのです。
ほとんどの中小零細企業では、販売データに、V(変動単価)を持ち合わせていませんので、ものすごく助かりました。
そこで、まずは、48ヶ月分のMQ(粗利総額)のデータから、移動平均のグラフを作ってみました。
移動平均とは、季節変動を取り除くために、12ヶ月の合計を12で割った月平均の数字のことです。
1月〜12月の合計÷12
2月〜翌1月の合計÷12
3月〜翌2月の合計÷12
このようにひと月ずつずらしながら、計算をしていきます。
下の図は、その結果を示したものです。
短期MAVとは、12ヶ月を合計して12で割った数字、そして、長期MAVとは、24ヶ月を合計して24で割った数字になります。
勢いがある会社は、短期MAVのグラフの方が、長期MAVのグラフより上に来ますので、先ほどのグラフを見る限り、MQを稼ぐ速度が、だんだんと落ちてきていることを感じ取れます。
これが、グラフの効果です。
そこで、次に、Q(販売数量)の移動平均グラフを作ってみました。
ここ数ヶ月は、横ばい傾向ですが、長期より短期のグラフが下にありますので、Q(販売数量)に関しては、落ちてきていることが分かります。
それでは、P(売価)はどうでしょうか?
ここ数ヶ月、Qが減少傾向にあるにも関わらず、MQが横ばいというのは、若干のPアップが効いているように見えますね。
ただ、このグラフを見る限り、P(売価)が過去に比べると、圧倒的に下がっていることが、社長の心理になんらかの影響を与えていることは明らかでした。
さて、ここからが本番です。
どの商品に手を付ければ良いのか、徹底的に分析しました。
まずは、分類ごとのMQのシェアを出してみました。
すると、4分類で85%を超えることが分かりました。
次に、4つの分類の中で、伸びているものがあるのかどうか、グラフにしてみました。
下のグラフから分かるように、第1位であるOEMには、あまり伸びがありませんでした。
結果的には、4分類の中で、伸びが見られたのは、スキンケア用品のみでした。
それならばということで、スキンケア用品に分類されている商品の中で、このグラフの向上に貢献している商品を探しました。
その中に、急激な伸びを示している商品がありましたが、実は、社長の頭の中には、全くない商品だったのです。
社長は、落ちてきている商品をどうやって立て直すかに必死で、伸びてきている商品に、目を向けられていませんでした。
なので、この方法で伸びてきている商品を探しました。
さらに、漏れがあるといけないので、全体のMQの8割に達する商品(142品目中34品目だった)を検索して、上の方法で出て来なかった商品が、4品目あったので、その伸びまでグラフにして確かめました。
そして、どの商品のPをどう変えればMQが上がりそうか、シミュレーションを繰り返しました。
これが全てではありません。
これで大丈夫だとも思いません。
だけど、これくらいは、データがありさえすれば出来ると思うのです。
実際に、経営に危機感を抱いていた社長も、前を向いて下さいました。
なので、ここまでは、順調でした。
ただ、OEMを引き受けるかどうかの価格について、意見が真っ二つに分かれました。
つまり、本格的に、社長と私の【原価計算】論争が始まっていくのでした。
第4回に続く。
今回もまた、ブログ筋トレ中の文章を最後まで読んで頂き、誠にありがとうございました。
今後とも、どうぞ宜しくお願いします。
ブログ筋トレVol.261