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2025/05/19

TOC

お金

数字に追われるのではなく、数字を迎えにいく〜資金繰りと経営判断の一致点〜


皆さま、こんにちは。

ナイスオンホールディングスの四ケ所秀樹です。

先週のブログでは、TOC(制約条件の理論)を通じて”流れを取り戻すこと”の重要性、そして、それが現場の活力をどう蘇らせるかをお伝えしました。

しかし・・

流れが整ったからといって、お金が残るとは限らない・・

むしろ、ここからが本番です。

今週は、”資金繰り”という経営の血液の流れについて、“判断基準のズレ”が未来を左右するという視点で、お話ししていきたいと思います。


お金が増えるTOC、でも「お金がある経営」は危ない

TOCを実践すれば、お金は増えます。

・無駄な仕掛品が減る

・生産性が高まり、リードタイムが減る

・流れが整うことで、売上も回収も加速する

・・これは紛れもない事実です。

でも、私は強く思うのです。

「お金がある経営」になってはいけない。

「お金があるから買う」

「お金がないから我慢する」

この思考がクセになってしまうと、会社は、必ずどこかで資金繰りに行き詰まります。


お金の判断基準は、“有無”ではなく“重要性”

大切なのは、

・この支出は未来に必要か?

・今、投じるべきか?それとももっと先か?

・高い・安いではなく、戦略にとって重要か?

つまり、経営において本当に必要なのは、”払えるかどうか”ではなく、”払うべきかどうか”という判断です。

だから私は、こうお伝えしてきました。

「安くても、必要なければびた一文使わない」
「払えるとしても、意味がなければ使わない」

この感覚が根づいている会社こそが、本当の意味で“お金に困らない”経営を実現していきます。


”数字に追われる”経営と”数字を迎えにいく”経営

では、どうすればその判断力が育つのか?

カギは、“お金の見える化”です。

あなたの会社では、資金繰りを”いつ”考えていますか?

・月末になってから、足りるどうかを確認していませんか?

・今の支払いが、終えられるかどうかに集中していませんか?

これは、”数字に追われる”経営です。

一方で、資金の流れを“6ヶ月先まで”を見える化していれば・・

・借入を早めに検討できる

・設備投資のタイミングを調整できる

・回収条件の見直しも冷静に判断できる

これが、”数字を迎えにいく”経営です。


キャッシュフローは、感覚ではなく設計するもの

経営者が陥りやすい落とし穴に、”勘違い黒字”があります。

・受注が増えている

・社員さんも忙しそう

・現場も活気がある

・・だから、儲かっているはずだ。

ところが、蓋を開けてみると、キャッシュが底をつきそうになっている。

そんなケースを、私は何度も見てきました。

このギャップを生む最大の原因は、”数字が見えていない”ことです。

・売上が立っても、入金は2ヶ月後

・仕入や人件費は、先に支払いがある

・思いつきで設備投資してしまった

これらの判断が、やがて資金繰りの地雷となって現れるのです。


数字を見ることは、会社の“呼吸”を読むこと

私が支援させていただいている企業の多くでは、最初は「キャッシュフローって難しそう」と言われます。

そして、そう言われる割には、あれもこれも手を出されています・・汗

でも、日付で支出・収入のタイミングを並べ、“足りるのか・足りないのか”を見える化するだけで、経営の安心感がぐっと増すのです。

難しい分析ではなく、

”呼吸のリズム”を整える感覚です。

会社も人も、“呼吸”が乱れたときに体調を崩します。

資金繰りも同じです。

数字を読む力が育てば、

経営者は“感じる”のではなく、“構造として見る”ことができるようになります。


経営理念が“灯り”なら、お金は“燃料”

ナイスオンホールディングスの経営理念は、

”人生に輝きを、そして、命に喜びを”

この理念が”どこへ向かうか”を照らす灯りだとすれば、お金はその灯りへ進むための“燃料”です。

灯りがあっても燃料がなければ進めない。

燃料だけがあっても、灯りがなければ迷う。

だから・・

”数字を見る”という行為は、理念と経営を“行動”としてつなげる、極めて人間的な仕事なのです。


次週は「ラッカープラン」──目標を“描く力”へ

資金繰りが整い、使うべきお金が見えたとき、私たちはようやく”未来の計画”に目を向けることができます。

来週のテーマは、”ラッカープランによる目標設定と達成”です。

・経営理念と現実の数字を一致させる

・目標が”現場に落ちる”計画とは何か

・”売上何億円”ではなく、”どういう状態を目指すのか”

数字を道具にするために、そして、理念を現実にするために・・

一緒に、目標の描き方を見直していきましょう。


本日も、最後までお読みいただき誠にありがとうございました!

それでは、素敵な一週間をお過ごしください。

今週も、皆さまにとって輝く毎日でありますように。

ナイスオンホールディングス株式会社

四ケ所秀樹


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この記事を書いた人

四ケ所 秀樹(しかしょ・ひでき)

四ケ所 秀樹(しかしょ・ひでき)

ナイスオンホールディングス株式会社 代表取締役。
「粗利最大化」と「粗利最速化」を信条に、1年後の利益幅を最大97.5倍にした他、直近では、300万円の利益だった企業の教育を担い、5年間で1億円の利益にまで引き上げた実績を持つ。

MG開発者の(株)西研究所西順一郎氏、そして、(株)ソフトパワー研究所清水信博氏に師事し、企業の健康を司る【氣(社風)・血(お金)・水(業務フロー)】に関する社内研修を展開している。

【これから100年を志す企業を、絶対に守り切る土台づくり】を使命とし、赤字スパイラルから黒字スパイラルへの思考のシフト、全体最適思考の経営を指導している。

1974年佐賀生まれ。関西学院大学法学部卒。

保有資格
■西研公認MGインストラクター
■SP研公認最上級TOCインストラクター(日本第1号資格取得者)
■STR認定コミュニケーションマスター(世界第1号資格取得者)
■TOC‐ICO国際認定 思考プロセスジョナ登録
■交流個性解析士

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