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2025/04/07
TOC
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皆さま、こんにちは。
ナイスオンホールディングスの四ケ所秀樹です。
ブログ更新もついに5週目(52週、更新しますよ〜!)。
本日は、「全体最適思考でのプロセス改善事例」として、過去に関わったある石鹸工場での出来事をもとに、「本当に価値ある改善とは何か?」について、お話ししたいと思います。
この記事の内容
その石鹸工場では、作業を「まとめて処理する」のが常識でした。
いわば、一度に大量処理=効率的という思考です。
たしかに、一見すると合理的に見えます。
しかし、その考えが、実は工場全体の“流れ”を大きく滞らせていたのです。
ある工程が終わるのを、次の工程の人たちが“ただ待っている”。
工程間には“仕掛品”がどんどん溜まり、作業スペースも圧迫される。
その結果、ミスも起きやすくなり、納期もギリギリ。
従業員の疲労感と焦燥感が、工場中に漂っていました。
私が最初に伝えたことは、たった一つ。
「一度にやるより、“こまめに流す”方が、全体は早くなるんです」
…と言っても、当然すぐには信じてもらえませんでした。
それまでの常識と真逆だったからです。
でも、試しに
「工程の中間で仕掛品を溜めない」
「できたらすぐ渡す」
を徹底してみたところ──
驚くほどスムーズに流れ出したのです。
・次の人が“待たない”
・作業スペースが“広がる”
・全員の“気持ちに余裕”が生まれる
「こんなにラクに仕事ができるなんて…」
と、笑顔が戻ってきた従業員の姿が、今でも忘れられません。
私たちはつい、「何かを変えるなら大きなことをしなきゃ」と思いがちです。
でも、本当はその逆。
全体最適とは、「小さな詰まり」に目を向けて、「小さな改善」を積み重ねること。
それだけで、流れは変わるんです。
石鹸工場の事例は、その象徴でした。
劇的な改善だったのに、やったことは地味で、目立たない一歩でした。
そして、改善後、現場の方からこんな声を何度もいただいたんです。
「四ケ所さん、めちゃくちゃ楽になって、めちゃくちゃ早く仕事が終わるんですが、本当にこれで大丈夫ですか?あんなに残業して終わらなかったのに、本当にこれで大丈夫ですか?」
不安になるほどスムーズに、そして早く仕事が終わる。
あれだけ、朝から晩まで頑張って頑張っても納期にギリギリだったのに、今は、皆がニコニコ、定時でしっかりと終わってる…のに、みんなが楽しそう…
これが起きるのが、TOCなんだ──と、心から思いました。
そして、もう一つ強調したいのは、どれだけ個人が頑張っても、それが“つながっていなければ”意味がないということ。
・「自分の工程は完璧にやった」
・「予定より早く終わらせた」
それが他の工程の“負担”になっているとしたら?
それは、部分最適の罠です。
TOC(制約理論)では、「全体の流れにとって、どこが最も制約になっているか」を特定し、そこを集中的に改善します。
その視点があるかないかで、改善の方向性がまったく変わるのです。
石鹸工場での経験を通じて、私が改めて感じたのは、改善とは、「技術」よりも「在り方」の変容から始まるということです。
「これまでこうだったから」
「うちはこういうやり方だから」
そんな思い込みを、そっと脇に置いてみる。
そうするだけで、現場は新しい可能性を見せてくれるのです。
あなたの現場でも、もし何かが「流れていない」と感じたら──
ぜひ、「詰まり」を探してみてください。
きっと、小さな一歩が見つかるはずです。
本日も、最後までお読みいただき、ありがとうございました。
もしよろしければ、過去7回にわたり連載した「石鹸屋さんとTOC」も読んでいただけると嬉しいです!
今回のブログの内容が、より深く理解できると思います。
来週は「示道塾での学びと教育への情熱」をお届けする予定です!
ナイスオンホールディングス株式会社
四ケ所 秀樹
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あなたの職場にも、“流れ”が戻ってきますように祈っています!
ナイスオン公式ブログ Vol. 1,114