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2026/08/19

企業支援

学び

書評

人は、「足りない」と気づいたときに、育ち始める 〜その気付きの生み出し方〜

皆さま、こんにちは。

ナイスオンホールディングスの四ケ所秀樹です。

    

先日、ある会社の幹部の方と、これからの組織についてお話をしていました。

その方は、営業の力がとても高い方でした。

    

ご自身で動けば、結果を出せる。

難しい仕事も、引き受けられる。

    

ですから、最初は、ご自身に足りないものをお聞きしても、なかなか、はっきりとは見えてきませんでした。

   

・・そこで、私は、お聞きしました。

「あなたは今、何の責任を担っていますか」

   

そして、もう一つ。

「どういう状態になったら、その責任を果たしたと言えますか」

    

しばらく、お話を続けていくうちに、見えてきたものがありました。

ご自身が結果を出す力は、もう持っておられる。

    

けれど、組織全体で目標へ向かおうとすれば、自分一人の力だけでは届かない。

   

人に力を貸してもらうこと。

人が動けるように、関わること。

チーム全体を、目標へ導くこと。

    

そこに、ご自身の足りないものがある。

「マネジメント力かもしれません」

課題が、初めて具体的な言葉になりました。

    

・・私は、この瞬間に、人が育ち始める入口があると思っています。

本日は、そのお話です。

     

三枝匡さんの『閉塞企業を甦らせる』に、経営を担う人材を育てるうえで、とても大切な考え方が出てきます。

    

人を育てるために、最も重要で有効なのは、座学や助言を与えること以上に、その人にどのような事業責任を背負わせるかだ、という趣旨のことが書かれていました。

    

・・責任を背負わせる。

この言葉だけを見ると、少し、厳しく聞こえるかもしれません。

    

責任を与えれば、人が育つ。

大きな目標を持たせれば、強くなる。

そんなふうに、無理をさせる話にも見えてしまいます。

    

でも、私は、そうは受け取りませんでした。

責任は、人を追い込むための重石ではありません。

    

自分に、何が足りないのか。

それを映し出す、鏡なのだと思ったのです。

    

    

責任が曖昧なままだと、人は、「自分がどれだけ頑張ったか」で、自分の仕事を、評価しやすくなります。

   

一生懸命、働いている。

忙しく、動いている。

   

だから、「これだけやっているのだから」と、思うこともできます。

それは、間違いではありません。

    

けれど、責任が明確になると、見る場所が変わります。

    

「どれだけ頑張ったか」だけではなく、「自分が担った結果に、どこまで近づけたか」を見るようになります。

    

これは、結果だけで人を裁く、という話ではありません。

むしろ、届かなかったときに、「では、何が足りなかったのだろう」と、一緒に学べるようになるためです。

     

そこから、初めて問いが生まれます。

    

なぜ、届かなかったのだろう。

自分には、何が足りないのだろう。

誰の力を、借りたらよいのだろう。

何を、学び直したらよいのだろう。

    

・・不足が見えることは、決して、弱さではありません。

不足が見えたから、学ぶことができます。

    

できなかったことが、少しずつ、できるようになります。

見えていなかったものが、少しずつ、見えるようになります。

    

そして、やがて、自分一人で結果を出すことよりも、仲間と一緒に、もっと大きな結果を生み出すことに、喜びを感じるようになるかもしれません。

     

私は、それが、人が育つということの一つだと思っています。

    

・・ただし。

ここには、とても大切な前提があります。

     

責任は、ただ押しつければよいのではありません。

何を担い、どの状態を実現するのか。

それを、本人と上司が、同じ言葉で握っていなければなりません。

    

責任を明確にすることと、責めることは、まったく違います。

むしろ、安心して挑戦するために、責任の境界を、はっきりさせるのです。

    

そして、結果が出なかったときには、人を責めるのではなく、何が足りなかったのかを一緒に見る。

   

そのような場があって、初めて、責任は人を育てるものになるのだと思います。

・・もし今、「なかなか人が育たない」と感じておられるなら。

    

研修が足りないのか。

本人の意欲が足りないのか。

    

その前に、一度、確かめてみてください。

その方が担う責任は、ご本人の言葉で、説明できるほど明確でしょうか。

    

そして、その責任を果たすために、何が足りないのかを安心して口にできる場があるでしょうか。

    

人は、「あなたには、これが足りない」と、外から教えられたときよりも、「この責任を果たすために、私には、これが足りない」

そう、自分で気づいたときに、育ち始めるのかもしれません。

     

・・経営者の方も、同じです。

会社を守る責任を、本気で引き受けるからこそ、自分一人では足りないことに気づきます。

    

だからこそ、人に頼ることができる。

だからこそ、学び続けることができる。

     

足りないものが見えることは、前へ進み始めた証なのだと私は思います。

    

私は毎週のメルマガで、経営者の方が、ご自身の現在地と、向かう先を、少し立ち止まって見つめるための手紙を、お届けしています。

    

「本気の経営者に、本気の伴走を」

    

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参考:三枝匡『決定版 閉塞企業を甦らせる』(KADOKAWA)

最後までお読みいただき、ありがとうございました。

    

ナイスオンホールディングス株式会社

代表取締役 四ケ所秀樹

ナイスオン公式ブログ Vol. 1,141

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この記事を書いた人

四ケ所 秀樹(しかしょ・ひでき)

四ケ所 秀樹(しかしょ・ひでき)

ナイスオンホールディングス株式会社 代表取締役
「粗利最大化」と「粗利最速化」を信条に、1年後の利益幅を最大97.5倍にした他、直近では、300万円の利益だった企業の教育を担い、5年間で1億円の利益にまで引き上げた実績を持つ。

MG開発者の(株)西研究所西順一郎氏、そして、(株)ソフトパワー研究所清水信博氏に師事し、企業の健康を司る【氣(社風)・血(お金)・水(業務フロー)】に関する社内研修を展開している。

【これから100年を志す企業を、絶対に守り切る土台づくり】を使命とし、赤字スパイラルから黒字スパイラルへの思考のシフト、全体最適思考の経営を指導している。

【経歴】
1998年3月
関西学院大学法学部政治学科 卒業

1998年4月
父親が経営する税理士事務所・経営支援会社に入社、経営の現場に従事

2011年11月
独立のため退職、「株式会社NICEON」を創業、代表取締役に就任
中小企業の意思決定に特化した経営支援を開始

2020年4月
ナイスオンホールディングス株式会社に商号変更
同年同月、叡知株式会社を設立、代表取締役に就任

2026年3月
九州大学ビジネス・スクール(QBS)修了、経営学修士(MBA)取得

【保有資格】
西研公認MGインストラクター

SP研公認最上級TOCインストラクター(日本第1号資格取得者)

STR認定コミュニケーションマスター(世界第1号資格取得者)

TOC-ICO国際認定 思考プロセスジョナ登録

交流個性解析士

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