ブログ筋トレ

           

2026/06/15

企業支援

学び

空学

手放しても、大切なものは、無くならない——強い経営者が、最後に越える壁

皆さま、こんにちは。

ナイスオンホールディングスの四ケ所秀樹です。

     

先日、このブログでこんなことを書きました。

「強い経営者は、肝だけを握り、それ以外は大胆に手放す」と。

   

大胆さと、繊細さ。

そのどちらも持っている人が、強い。

肝を繊細に握るからこそ、それ以外を大胆に手放せる・・

そんな、お話でした。

    

ところが、です。

偉そうに書いておきながら、本日は、白状しなければなりません。

    

    

実は、私自身が・・

「手放す」のが、いちばん下手な人間でした。

    

不安を、知識で武装しようとした日々

手放すどころか、私は握ることばかりしてきました。

    

不安だったのです。

経営の現場に立てば立つほど、誰かの人生を預かれば預かるほど、得体の知れない不安が足元から這い上がってくる。

   

その不安を消したくて、私は武装しました。

   

研修という研修を受けまくりました。

理論も、手法も、資格も。

私はよく、自分のことを「知識という”モービルスーツ”を着込んでいた」と言います。

    

    

一枚、また一枚。

鎧を重ねれば、この不安は消えるはずだ。

本気でそう思っていました。

   

ところが・・です。

   

どれだけ着込んでも。

どれだけ詳しくなっても。

不安は、まったく消えませんでした。

    

むしろ、重くなる一方だったのです。

    

ある方の、たった一言

そんな私が変わったのは・・ある方の、たった一言でした。

    

岡部明美さん。

多くの方が「明美ちゃん」と呼ばせていただく、心の師のような方です。

  https://okabeakemi.com/

   

あるワークショップでのことでした。

何かを握りしめたまま動けずにいた私に、明美ちゃんは、静かにこう問いかけました。

   

「ひでっくん。

 それを手放したら、
 あなたが大切にしていることは無くなるの?

 大切にしている人はいなくなるの?」

    

・・あれ?

    

無くならない、かもしれない。

いなくならない、かもしれない。

   

・・いや。

無くならない。

いなくならない。

    

その瞬間、私の中で何かが少しだけ緩んだのです。

    

握っていたのは、「失う怖さ」だった

その瞬間、私の中で小さな”揺らぎ”が起きました。

    

私はずっと、「大切なものを守るため」に握っているのだと思っていました。

    

でも、本当は・・違ったのです。

私が握りしめていたのは、「大切なもの」そのものではありませんでした。

   

「手放したら無くなる」という、私自身の思い込みの方だったのです。

   

   

言い換えれば・・

私が大事に抱えていたのは、「失う怖さ」そのものでした。

   

大切なものは、握らなくてもちゃんとそこにある。

手放したくらいで、消えてなくなるようなものではなかった。

それに、気づいてしまった。

そこから、少しずつ。

本当に、少しずつですが・・

    

私は、手放せるようになっていきました。

    

「撤退基準」の、その手前にあるもの

ここで、少しだけ理屈の話をさせてください。

   

先日のブログで、私はこう書きました。

人が手放せるようになるには、「何を手放していいのか」が先に決まっていなければならない、と。

   

私が大学院で書いた修士論文の、中心概念「OFA(組織的失敗回避)」

   
その柱のひとつが、「撤退基準を事前に決める」ことでした。

   

どこまでいったら、やめるのか。

何を守れていれば、あとは任せていいのか。

   

・・これは、変わっていません。

基準を決めることは、本当に大切です。

   

けれど、本日はもう一段奥のことをお伝えしたいのです。

なぜ、その基準をなかなか決められないのか。

   

撤退基準を決められない経営者を、私は何人も見てきました。

能力の問題ではありません。

皆さん、聡明な方ばかりです。

   

では、何が決断を止めているのか。

・・それは、「失う怖さ」でした。

   

「ここでやめたら、これまでの努力が無駄になる」

「手放したら、大事な何かがこぼれ落ちてしまう」

   

その怖さが、基準を決める手を止めてしまう。

   

つまり・・

構造(撤退基準)のもう一段手前に、感情(失う怖さ)があるのです。

   

私が、知識のモービルスーツを脱げなかったのも、まったく同じでした。

   

基準がなかったのではない。

基準を決めることすら、怖かったのです。

    

だから、順番はこうなのだと思います。

   

    

まず、「手放しても、大切なものは無くならない」と、心のどこかで信じられること。

その安心があって、はじめて人は撤退基準を決められる。

基準が決まって、はじめて大胆に手放せる。

    

繊細さが大胆さを支えていたように・・

“安心”がすべての土台にあったのです。

    

これは、会社の中だけの話ではありません

そして、これは・・

   

経営の話だけではありません。

私たちは、誰しも何かを握りしめています。

    

過去の成功。

こうあるべきだ、という役割。

誰かに、どう見られるか。

昔の自分。

   

そのどれもが、「手放したら大切な何かを失う」と思い込んでいるから握っているのです。

   

でも、本当でしょうか。

   

手放しても・・

あなたが本当に大切にしているものは、たぶん無くなりません。

あなたを大切に思ってくれる人も、いなくなりません。

   

握りしめているのは、たいてい、”無くなるかもしれない”という不安の方なのです。

    

安心して、手放せる「場」を

私は、あの日の明美ちゃんの一言に救われました。

   

握った手を、自分の力だけで開くことはできませんでした。

ある人の、ある問いが。

ある「場」が。

   

私の指を、そっとほどいてくれたのです。

   

だから・・

今度は私が。

   

誰かが、安心して手放せる「場」を作りたいと思っています。

   

7月末から、組織ドクターの杉本智さん(株式会社JOY代表)とともに、6ヶ月の実践塾を始めます。

   

社長と、右腕・左腕となるお二人。

3名一組で、10社限定。

   

「何を握り、何を手放すか」を、半年かけて一緒に組み立てていく場です。

https://www.reservestock.jp/events/MDQ3OTJhY2UxM

    

「もう少し、聞いてみたい」という方には、私が直接お話しさせていただく30分の個別相談(無料)もご用意しています。

・・と、ご案内もしつつ。

   

でも、本日いちばんお伝えしたかったのは、塾のことよりも・・

   

最後に

「手放しても、大切なものは無くならない」

    

    

私は、そのことを教えてもらった日から、少しずつ生きるのが楽になりました。

   

もし今、皆さまの中に、何かを握りしめて苦しくなっている方がいらっしゃるとしたら・・

   

一度だけ、問うてみてください。

   

「これを手放したら、本当に大切なものは無くなるだろうか」と。

    

・・たぶん、無くなりません。

   

経営者が最後に越える壁は、知識でも戦略でもありません。

   

「失っても大丈夫だ」と、少しずつ安心していけるかどうか。

   

そして、私は思うのです。

その「安心」は、一人ではなかなか育たない。

だからこそ、人には「場」が必要なのだ、と。

    

皆さまが、ふっと肩の力を抜いて、本当に大切なものだけを軽やかに握れますように・・

    

それでは、素敵な1日をお過ごしくださいませ。

    

四ケ所秀樹

ナイスオンホールディングス株式会社 代表取締役

ナイスオン公式ブログ Vol. 1,135

NICEONのお得な情報配信中!!

今すぐ友達登録!

YouTubeチャンネルはじめました!

今すぐチャンネル登録

この記事を書いた人

四ケ所 秀樹(しかしょ・ひでき)

四ケ所 秀樹(しかしょ・ひでき)

ナイスオンホールディングス株式会社 代表取締役
「粗利最大化」と「粗利最速化」を信条に、1年後の利益幅を最大97.5倍にした他、直近では、300万円の利益だった企業の教育を担い、5年間で1億円の利益にまで引き上げた実績を持つ。

MG開発者の(株)西研究所西順一郎氏、そして、(株)ソフトパワー研究所清水信博氏に師事し、企業の健康を司る【氣(社風)・血(お金)・水(業務フロー)】に関する社内研修を展開している。

【これから100年を志す企業を、絶対に守り切る土台づくり】を使命とし、赤字スパイラルから黒字スパイラルへの思考のシフト、全体最適思考の経営を指導している。

【経歴】
1998年3月
関西学院大学法学部政治学科 卒業

1998年4月
父親が経営する税理士事務所・経営支援会社に入社、経営の現場に従事

2011年11月
独立のため退職、「株式会社NICEON」を創業、代表取締役に就任
中小企業の意思決定に特化した経営支援を開始

2020年4月
ナイスオンホールディングス株式会社に商号変更
同年同月、叡知株式会社を設立、代表取締役に就任

2026年3月
九州大学ビジネス・スクール(QBS)修了、経営学修士(MBA)取得

【保有資格】
西研公認MGインストラクター

SP研公認最上級TOCインストラクター(日本第1号資格取得者)

STR認定コミュニケーションマスター(世界第1号資格取得者)

TOC-ICO国際認定 思考プロセスジョナ登録

交流個性解析士

contactお問い合わせ

webでのお問い合わせ