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2026/03/21

QBS

学び

なぜ優秀な社長ほど、同じ失敗を繰り返すのか・・219社のデータから見えた真実

   

皆さま、こんにちは。

ナイスオンホールディングスの四ケ所秀樹です。

  

実は、ひとつご報告があります。

2024年4月に入学した九州大学ビジネススクール(QBS)を、本日無事に修了いたしました!

  

社会人大学院ですので、平日は仕事を終えてから18時半に博多へ。

そして、土曜日は朝10時から伊都キャンパスへ。

  

この2年間、私は周囲の皆さまにこう伝えていました・・

「冬眠します」と。

  

研修事業を完全にストップして、顧問事業だけに専念。

学業に集中すると決めた2年間でした。

  

でも、正直に言うと・・

葛藤がありました。

  

お客さまのことを考えると、「伝える側に戻りたい」という気持ちが何度も何度も頭をもたげてくる。

セミナーのご依頼をいただくたびに、「断ってもいいのだろうか」・・

と、自問しました。

   

それでも愚直に続けられたのは、ひとつの確信があったからです。

「今の自分より、2年間を終えた自分のほうが、お客様のお役に立てる」

   

その確信を胸に、冬眠し続けました。

そして本日、ようやくその冬眠が終わります・・

   

ここからは、この2年間で私が辿り着いたことをお話しさせてください。

   


「なぜ社長の判断は、時々おかしくなるのか」

私はこれまで、多くの中小企業の社長さまと向き合ってきました。

   

皆さま、優秀です。

現場を知っている。人柄もいい。会社への思いも本物。

   

なのに・・

なぜか、同じ失敗を繰り返す社長さまがいらっしゃる。

   

「撤退すべきだとわかっている。でも、やめられない」

「反対意見は聞きたくない。自分の判断を信じたい」

「忙しすぎて、立ち止まって考える時間が取れない」

   

   

これは、能力の問題でも、意志の問題でもないと、私はずっと感じていました。

   

では、何の問題なのか。

その答えを、研究として探し始めたのがQBSでの2年間でした。

   


219社のデータが示した「現場のリアル」

修士論文では、中小企業経営者219名を対象にアンケート調査を行い、さらに10社の経営者に深層インタビューを実施しました。

そこで見えてきたのは、予想通りでもあり、予想以上でもあった現実でした。

   

社長の判断が歪む理由は、構造的なものだった。 

ひとつは、「限定合理性」と資源制約

時間も、人も、情報も足りない。

   

そういう環境では、人は「経験則」と「直感」に頼らざるを得ない。

それ自体は悪いことではありません。

でも、その直感が検証されないまま蓄積されると、気づかないうちに判断が歪んでいきます。

    

もうひとつは、「孤独な意思決定」

社長は、最終判断を一人で背負っています。

個人保証、雇用責任、家族への重圧・・。

「誰にも本当のことが言えない」状況に置かれることが、実は非常に多い。

    

外部からのフィードバックがないまま判断し続けると、確証バイアス(自分の見たいものしか見えなくなる)や過信バイアス(自分の判断を過大評価する)が、静かに、でも確実に積み重なっていく。

    

これは、社長の能力の問題ではありません。

構造の問題です。

    

環境がそうさせている。

この事実が、データによって明確に示されたとき、私はある種の安堵を感じました。

「そりゃそうだよね・・」と。

    


「伴走型支援」が機能するメカニズム

では、この構造的な問題に対して、何が有効なのか。

研究で明らかになったのは、「継続的な伴走型支援」が、意思決定プロセスを変えるということでした。

    

ただし、ここには重要な条件があります。

「答えを教えてもらう」支援では、何も変わりません。

    

知識を与えるだけのコンサルティングでは、現場に転移しない。

「わかった」が「できる」にならない。

    

これは研究でも確認された事実です。

では、何が変わるのか。

    

インタビューで繰り返し出てきたのは、下記のようなプロセスでした。

    

まず、「迷いや違和感を語れる対話環境」が生まれる(心理的安全性)。

次に、「撤退基準」「判断条件」「やめる理由」が言葉になる(形式知化)。

そして、数値を使った対話や会議の仕組みが社内ルーティンとして根付く(継続実践)。

    

    

このサイクルが回り始めると、社長の「判断の精度」が、少しずつ上がっていく。

そして最も重要なのは・・

これが「判断の正解を増やすこと」ではないという点です。

    

目的は、致命的な失敗を同じ構造で繰り返さないこと。

これが、私が論文の中で提案した「OFA(Organizational Failure Avoidance:組織的失敗回避)」という考え方です。

     


OFAとは何か

OFAは、「成功を保証する手法」ではありません。

「あなたの会社を100億円企業にする方法」でもありません。

    

そうではなく・・

撤退が遅れ、損失が拡大し、回復が困難になる。

そういう「致命的な失敗」を、同じ構造で繰り返さない。

    

そのために、意思決定のプロセスを整える。

判断の前提を言語化する。

検討の過程を記録する。

棄却した選択肢を残しておく。

    

そうすることで、次の意思決定がより良くなる。

「気づける偏りの範囲」が、少しずつ広がっていく。

    

     

これが、伴走型支援の本当の役割だと、私は考えています。

社長の「最終判断」を代替するのではなく、その判断の前提と過程を一緒に整える

     

それが、私のやりたいことでした。

    


冬眠明け。4月から、再始動します

QBSでの2年間は、私にとって「実践の言語化」の時間でした。

長年、顧問先の社長さまたちと向き合いながら、感覚的にやってきたことが、研究を通じて「なぜそれが機能するのか」という説明に変わっていった。

    

冬眠前より、少しだけ強くなって戻ってきました。

これからは、この研究をベースに、ブログやYouTubeでも発信を続けていきます。

    

「中小企業経営者の、孤独な意思決定に伴走する」

    

それが、ナイスオンホールディングスのミッションです。

まずは、ご自身に問いかけてみてください。

    

「本当はやめるべきだ」と感じているのに、やめられないでいる意思決定はありませんか?

      

その問いに少しでも引っかかりを感じた方と、お話したいなと思っています。

ぜひ、一緒に考えましょう。

     


     

四ケ所秀樹
ナイスオンホールディングス株式会社
代表取締役

    

ナイスオン公式ブログ Vol. 1,125

   

次回:「社長の判断を歪める5つのバイアス・・あなたの会社に当てはまるものはどれですか?」

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この記事を書いた人

四ケ所 秀樹(しかしょ・ひでき)

四ケ所 秀樹(しかしょ・ひでき)

ナイスオンホールディングス株式会社 代表取締役
「粗利最大化」と「粗利最速化」を信条に、1年後の利益幅を最大97.5倍にした他、直近では、300万円の利益だった企業の教育を担い、5年間で1億円の利益にまで引き上げた実績を持つ。

MG開発者の(株)西研究所西順一郎氏、そして、(株)ソフトパワー研究所清水信博氏に師事し、企業の健康を司る【氣(社風)・血(お金)・水(業務フロー)】に関する社内研修を展開している。

【これから100年を志す企業を、絶対に守り切る土台づくり】を使命とし、赤字スパイラルから黒字スパイラルへの思考のシフト、全体最適思考の経営を指導している。

【経歴】
1998年3月
関西学院大学法学部政治学科 卒業

1998年4月
父親が経営する税理士事務所・経営支援会社に入社、経営の現場に従事

2011年11月
独立のため退職、「株式会社NICEON」を創業、代表取締役に就任
中小企業の意思決定に特化した経営支援を開始

2020年4月
ナイスオンホールディングス株式会社に商号変更
同年同月、叡知株式会社を設立、代表取締役に就任

2026年3月
九州大学ビジネス・スクール(QBS)修了、経営学修士(MBA)取得

【保有資格】
西研公認MGインストラクター

SP研公認最上級TOCインストラクター(日本第1号資格取得者)

STR認定コミュニケーションマスター(世界第1号資格取得者)

TOC-ICO国際認定 思考プロセスジョナ登録

交流個性解析士

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